技の研究 · 抑込技

崩上四方固仕組みと上達のポイント

頭側から、片腕を受の肩の下ではなく腕の上から回して後ろ襟を持ちます。受が支えに使うはずの腕を封じる一方で、警戒すべき逃れも変わります。その関係を学ぶ崩上四方固の詳細ガイドです。

正式表記
崩上四方固
名称の意味
形を崩した上四方固
分類
固技 · 抑込技
扱う位置
取は受の頭側。右腕を受の右腕の上から後ろ襟へ、左腕を帯へ

封じた片腕を軸に組み立てる頭側からの抑え

崩上四方固(くずれかみしほうがため)は、固技のうち抑込技に属する技です。「崩」は形を崩した、変化させたという意味で、上四方固とは別の名前を持つ変化技です。基本形は上四方固です。IJFの定義はその違いを正確に述べており、「一方の手を相手の腕の(下ではなく)上から回して後ろ襟を持ち、同時に左腕を相手の首と肩の後ろに回して帯を握る」としています。

IJFの上四方固の説明では、取は「両肩の下から手を入れ、両手で帯の両脇を持つ」とされています。崩しの形では片腕が受の腕の上を通って襟へ向かうので、受の片腕は取の制御の外に残るのではなく、取の腕と体の間に挟まれます。

このガイドの左右の基準:受は仰向けです。取は受の頭側にいて、受の足の方を向いています。取の右腕は受の右腕の上を通り、右手で受の後ろ襟を持ちます。取の左腕は、IJFの文言どおり受の首と左肩の後ろに回して帯を握ります。この位置では、受の右腕は取の右側にあります。IJFの説明は取の左腕を名指ししていますが、受のどちらの腕の上を通すかは定めていません。このガイドでは一貫性のために右腕の配置を選びました。講道館の実演と照らし合わせ、指導者が反対側で教えている場合はすべてを左右反転させてください。

想定する読者:上四方固を知っていて、参った(タップ)をして確実に解くことができ、指導者の監督下で練習している柔道家です。この抑えでは受の首の後ろに腕を回すので、首に無理がかかっていないことは技の一部であり、付け足しの配慮ではありません。頭側からの抑えに慣れていない人は、まず上四方固を学んでください。土台と胸の接触の大部分は、そのまま生かせます。

腕の上から持つ形を見つけ、それから逃れ方を学ぶ

講道館 · 崩上四方固の公式実演(講道館 × IJFアカデミー「100の技」シリーズ、82秒、2021年2月21日公開)
YouTubeでこの動画を開く。埋め込みプレーヤーが使えない場合は、元の動画をご覧ください。
講道館 · 崩上四方固の逃れ方(公式の逃れ方の実演、70秒、2021年2月25日公開。英語題名のつづり「Kuzure-kami-siho-gatame」は公開時のまま)
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どちらの動画も講道館が公開したものです。一つ目は講道館 × IJFアカデミー「100の技」シリーズの抑えの実演、二つ目はそれに対応する講道館の逃れ方の実演です。確認したのは同一性、長さ、公開日だけです。以下の三つの見方は、自分で書き込む観察シートとして使ってください。ここでは、実演者が何をしているかは一切報告していません。

1回目:腕の上から回す手。受の腕の上を通る腕を見つけ、その手が後ろ襟に届くまでを追います。受のどちらの腕の上を通っているか、その腕が取の脇に接しているか、離れているかを書き留めます。受の左腕であれば、このガイドの基準を反転させてください。

2回目:帯を持つ腕。取のもう一方の腕が、受の首と肩の後ろを通って帯に届くまでを追います。帯のどこを握っているか、前腕が受の首にどれだけ近いかを書き留めます。

3回目:体の角度と土台。取は頭の上の中心線にいるか、それとも一方の肩の方へ少し向きを変えているか。取の膝と腰はどこにあり、胸は受の胸の上か、それより上か。IJFの説明が定めているのは腕の通り道であって体の角度ではないので、この回で得られるのは定義にない情報です。

逃れ方の動画:それぞれの逃れについて、成功する直前で止め、最初に変わったものに名前を付けます。封じた腕が抜けたのか、遠い肩が回ったのか、取の土台が傾いたのか、受の腰が離れて膝が入ってきたのか。第6項に、それぞれの最初の変化に対する原因の見立てを示しています。

腕の上から回す経路が使える場面

上四方固に対して、受が腕を引き寄せて守ってくる

見極めの手がかりは、上四方固で受の右肘が曲がって自分の肋骨に密着し、取の右腕が受の肩の下に入れなくなっていることです。体に近い位置で曲がった腕は、まさに腕の上から回す経路に必要な条件です。肩の下に戻ろうと争うのではなく、頭側にとどまったまま抑えを続けられます(手順は第7項)。

後袈裟固から頭側へ移る

後袈裟固では、取はすでに受の脚の方を向いています。受が起き上がろうとしたら、頭の方へ回り込めば同じ向きのまま移れます。それまで封じていた近い腕は、すでに取の体の近くにあり、腕の上から持つ形の準備が整っていることがあります。

横からの抑えで、受が離れる方へ向く

横四方固から受が腰で逃れると、肩はまだ畳に着いていても、横からの角度が役に立たなくなることがあります。胸を受の胸に着けたまま頭の方へ移れば、自分に近い方の腕の上から襟を取れる場合があります。

選ぶべきでないとき

受の腕が伸びて取の腰や肩に支えを作っているときは、この抑えを追いかけないでください。伸びた腕の上を通しても、何も制することはできません。受がすでに横向きになって遠い肩が畳から浮いているときや、受の頭を自分の方へ引きずらなければ襟に届かないときも同様です。こうした場合は、先に胸の接触を作り直すか、別の抑えに変えます。

二本の腕の通り道、一つの胸、ついていく土台

以下の腕の通り道はIJFの定義に沿っています。体の角度、膝の置き方、襟をどれだけ深く持つかはその説明では定められていないので、確かめ方では数値を示すのではなく、指導者と確認すべき点を挙げています。

  1. 右腕:受の右腕の上から後ろ襟へ

    取の右腕は受の右上腕の上を通り、右手で受の後ろ襟の柔道衣を持ちます。すると受の右腕は、外に出て支えを作るのではなく、取の腕の下で取の脇と胸に押し当てられた状態になります。確かめ方:受に、右腕を伸ばすか、その腕で取の腰を押しのけようとしてもらいます。腕が伸ばせるなら、取の腕が上腕ではなく前腕の上にあるか、脇がその腕に接していません。襟は、持ち続けるのに必要なだけ自分の方へ引きます。受が襟で喉が締まると訴えたら、持ち方が間違っています。解いて、指導者と一緒にやり直してください。

  2. 左腕:首と肩の後ろから帯へ

    取の左腕は受の首と左肩の後ろを通り(IJFは「首と肩の後ろに回して」と述べています)、左手で帯を握ります。この腕が遠い肩を抑え、受が自分の左へ向くのを防ぎます。確かめ方:受に左肩を浮かせようとしてもらいます。手が帯を持ったまま肩が浮くなら、前腕が肩から離れすぎています。受の首は自然な位置になければなりません。受の頭が前へ押し出されたりねじられたりしているなら、その腕は本来と違う働きをしています。

  3. 胸:顔ではなく胸の上部に

    胸を受の胸に乗せ、体重で肩の線を抑えます。胸が受の顔の方へ寄りすぎていると、受はブリッジで取を頭越しに跳ね上げられますし、課題が制御ではなく呼吸の問題になります。おなかの方へ寄りすぎていると、肩が自由に回ります。確かめ方:体重がどこにかかっているかを受に教えてもらいます。目標は胸と肩で、顔には体重がかからないことです。

  4. 膝と腰:ついていける土台

    膝は受の頭と肩の近くの畳に着き、受が下に潜り込めない程度に腰を低くします。土台は、受がどちらへ向いてもその方向へ動ける必要があります。IJFの説明は脚の配置を定めておらず、両膝を着く形、脚を後ろへ伸ばす形など、複数の形を教わることがあります。講道館の実演でどの形が使われているかを書き留め、指導者に確認してください。確かめ方:受に、合意したゆっくりしたブリッジと向き直りを左右それぞれに行ってもらいます。手を放して畳につかなければならないなら、その側の土台が狭すぎるか、腰が高すぎます。

  5. 角度:向いている側が最もよく制せる側

    取が受の中心線上にいるか、封じた腕の方へ少し向きを変えるかは、IJFの定義には書かれていません。私たちの編集上の提案は、どちらか一方を初めから採用するのではなく、同じ逃れに対して両方を試し、講道館の動画と比べることです。確かめ方:どちらの角度を使う場合も、どちらの側へ向きやすいかを受に尋ねます。その答えが、土台で守らなければならない側です。

順序と反応についての四つの手がかり

第4項では各部位の置き場所を示しました。ここでは、抑えを作る順序と、その抑えが迫る判断を扱います。

  • 胸と帯の腕が先、襟は最後。右腕を上から回す前に、胸を落ち着かせ、左手で帯を握ります。確かめ方:抑えを作る間に、取の両腕が同時に受から離れた瞬間がなかったかを、見ている人に確認してもらいます。
  • 上から回すのは曲がった腕だけ。受の右肘が肋骨に密着していれば上腕の上から回します。腕が伸びて押してくるなら、上四方固か横からの抑えにとどまります。確かめ方:入る前に毎回「曲がっている」「伸びている」と声に出して判断し、後で受の報告と照らし合わせます。
  • 攻防の前に、空いている側を言葉にしておく。受の左腕は封じられておらず、取の帯の腕の上にあるので、取の頭や腰を自由に押せます。想定すべきは受の左への向き直りです。確かめ方:受がどちらへ逃れると予想するかを指導者に伝え、実際にどちらへ逃れたかを記録します。
  • 角度で襟がねじれる前に、襟を放す。襟の持ち方が働くのは、取の体がおおよそ受の肩の線にそろっている間だけです。受が横を越えて向いたときや、抑えを変えるために回り込むときは、先に襟を放し、胸は下げたままにします。確かめ方:襟で頭が回されたと感じた瞬間があれば、受に報告してもらいます。

封じた腕も首も取の持つ手のすぐ近くにあるため、ここでは受の報告が、制御と苦痛を見分ける最も早い方法です。

崩上四方固が崩れる理由

最初の変化を探し、同じ逃れ、同じ抵抗の強さに対して、修正を一つずつ試します。

「封じた腕が下へ抜けていく」

考えられる原因:取の腕が上腕ではなく受の前腕や肘の上にある。取の右脇が受の腕から離れていて隙間がある。あるいは、ブリッジに対処しようとして襟を放している。見分け方:受に、腕を引き抜く動きだけをゆっくり試してもらいます。腕が取の腕に沿って滑っていく(腕の低い位置を持っている)のか、取の腕と脇の間から抜ける(隙間がある)のかを見ます。

修正:襟を取る前に、腕を上腕の位置まで上げ、右脇をその腕に密着させます。確かめ方:腕を引き抜く動きだけの攻防を、あらかじめ回数を決めて行います。修正の前後で、肘が取の腰を越えた回数を数えます。

「受が自分の左側へ向いて離れていく」

考えられる原因:帯の腕が帯に引っ掛かっているだけで、遠い肩を抑えていない。胸が封じた腕の側へずれている。あるいは、左側の土台が狭すぎる。見分け方:左肩が先に浮くのか(帯の腕)、胴全体が取の胸の下で回るのか(胸の位置か土台)を見ます。

修正:帯を握り直す前に左の前腕を肩に近づけるか、左膝を広げます。変えるのはどちらか一つにします。確かめ方:修正の前後で、受は左への向き直りだけを、同じ回数、同じ強さで試します。

「受のブリッジで頭越しに滑り落ちる」

考えられる原因:胸が受の顔の方へ上がりすぎていて、ブリッジで持ち上げられる。腰が高い。あるいは、腕を突っ張って抵抗している。見分け方:頭越しに真っすぐ後ろへ滑るなら、胸が高すぎるか、腰が上がっています。横へ転がされるなら、その側の土台の問題です(向き直りの問題と比べてください)。

修正:胸が受の胸の上に来るまで後ろへずれ、腰を下げます。確かめ方:合意したゆっくりしたブリッジを行い、次に少し強いブリッジを行います。手を畳につかずに持ち手が保てたかを記録します。

「受の腰が逃げて、膝が入ってくる」

考えられる原因:受が腰を横へ動かしている間、取が頭の上で止まったままだった。あるいは、腰の方へ手を伸ばして胸を浮かせた。見分け方:横から撮影します。受の腰が動いたときに取の体の角度が変わったか、それとも腕だけが動いたかを確かめます。

修正:両方の持ち手を保ったまま膝で歩いて回り、受の肩の線に対して正面を保ちます。受の腰が取の下からさらに移動し、取の横に来てしまうなら、横からの抑えに変えます。確かめ方:受はエビの動きだけを行い、取の胸の前に膝が入った回数を数えます。

「後ろ襟に手が届かない」

考えられる原因:受の頭より上に離れすぎている。受が肘を上げて腕をしっかり固めている。あるいは、まだ伸びている腕の上から回そうとしている。見分け方:手は届くのに持てないなら、持ち方の問題です。届かないなら、距離か角度の問題です。

修正:距離が原因なら、手を伸ばす前に胸を受の上でもっと下の位置に落ち着かせます。肘が上がっている、または腕が伸びているなら、それは届かない問題ではなく、第5項の「曲がった腕だけ」の判断の問題です。確かめ方:決まった開始位置から入りを行い、持てたかどうかと、受が先に支えを作れたかどうかを記録します。

「受が首の痛みを訴える」

考えられる原因:首の後ろに回した左腕が受の頭を持ち上げたり、ねじったりしている。あるいは、襟の持ち方が喉を横切って引いている。対応:直ちに解き、指導者にそれぞれの腕を見てもらいながら、ゆっくり作り直します。この抑えは肩の線と胸を通して働くものです。首の痛みによる参ったは直すべき問題であり、抑えが効いた証拠ではありません。

抑えに入り、意図して抑えから移る

どの展開についても、開始位置、次の動作を可能にする受の反応、やり直す条件を示します。受に合図で反応してもらって繰り返し練習し、その後で受に反応を選ばせます。

崩上四方固へ入る

上四方固から崩しの形へ:受が右肘を引き寄せたとき

開始:両腕を肩の下から帯へ通した上四方固です。反応:受が右肘を下へ、内側へ引き寄せ、取の右腕が肩の下の位置を失います。次の動作:左手の帯と胸の圧力を保ったまま、右腕を受の右上腕の上から回し、後ろ襟を取ります。中止:受の腕が伸びて取の腰に支えを作っている場合や、肩がすでに回っている場合は、止めて胸の接触を作り直すか、横からの抑えに移ります。

崩上四方固へ入る

後袈裟固から頭側へ回る:受が起き上がってきたとき

開始:受の右側からの後袈裟固で、受の右腕を自分の右脇に抱えています。反応:受が肩を浮かせ、取の背後で起き上がろうとします。次の動作:背中を、次いで胸を受に着けたまま、腰を受の頭の方へ回します。右腕は封じた腕の上に残したまま後ろ襟へ伸ばし、左腕は首と肩の後ろを通して帯へ届かせます。中止:回っている間にできた隙間から受が肩を上げてくるなら、早めに止めて、回る動きだけを練習します。

崩上四方固から変える

崩しの形から横からの抑えへ:受が封じた腕の方へ向いたとき

開始:説明どおりの抑えです。反応:受が自分の右へ、封じられた腕の方へ向き、腰もそれについていきます。次の動作:受はいま取の右の方を向いています。受が向いている側である受の右側へ膝で歩いて回り、胸を受の胸の上に横切るように乗せて肩を仰向けに押し戻し、受の右からの横四方固で仕上げます。移動の間はできるだけ長く封じた腕を体に付けておき、角度が変わって首がねじれる前に襟を放します。中止:胸が横切る前に膝が入ってきたら、やり直します。

崩上四方固から変える

崩しの形から上四方固へ:封じた腕が上へ伸びたとき

開始:抑えの形です。反応:受が封じられた右腕を取の頭の横を越えて上へ押し出し、取の腕の下から抜きます。次の動作:右肩の下に空間が開いています。胸を下げたまま右腕を肩の下へ滑り込ませて帯を持ち、基本形の抑えにします。中止:抜けた腕がすでに取の顔や肩を押して空間を作っているなら、先にその支えに対処します。見えないまま腕の下へ手を差し込んではいけません。

崩上四方固から変える

崩しの形から亀の姿勢への追従:受が膝をついたとき

開始:抑えの形です。反応:取の土台にもかかわらず、受が完全に向き直って膝をつきます。次の動作:襟を放し、胸を受の背中に着けたまま、指導者に教わった返しへ続けます。中止:受が向き直るときにまだ襟を持っていたら、すぐに放します(第5項)。

逃れは、封じられた腕と空いている側で決まる

予防:腕を封じさせない

受にとって、腕の上から回す経路が成り立つには、その腕が体の近くで曲がっている必要があります。取が落ち着く前に、その肘を活発に動かし、取の腰や肩に支えを作っておけば、抑えを作らせずに済むことがあります。遠い肩も動かし続け、帯の腕がその後ろに落ち着かないようにします。

逃れ:隙間を作り、それを使う

右腕を封じられた受が使えるのは、自由な左腕、封じられた腕に残っている動き、ブリッジ、そして腰です。それぞれの経路は、取の特定の誤りによって開きます。

  • 左腕の支えと左への向き直り。受の左腕は取の帯の腕の上にあるので、左肩を回しながら取の頭や腰を押せます。取の左前腕がその肩から離れているときに開きます。
  • 封じられた腕を下へ引き抜く、または取の頭の横を越えて上へ押し出す。取の腕が上腕ではなく前腕の上にあるとき、または取の脇がその腕から離れているときに開きます。
  • 取を頭越しに滑らせるブリッジ。取の胸が受の顔の近くまで上がり、腰が高いときに開きます。
  • 腰の逃れと膝の差し入れ。受の腰が横へ移動しているのに、取が頭の上で止まったままのときに開きます。

講道館の逃れ方の実演は、分類の練習に使います。それぞれの逃れに、使っている経路(または「その他」)の名前を付け、最初に学ぶものは指導者に選んでもらいます。これらの経路のどれも開かないブリッジは、ほとんど体力を使うだけです。

返し技:返しにはそれ自体の指導が必要

取は受の頭の上に体を伸ばしているので、空いている側へ強く向き直ると、受が取の横や背後に回れることがあります。その返しはそれ自体が一つの技能で、制御した速さで学ぶものです。取の頭をつかんだりねじったりして仕上げることは決してしてはいけません。

安全に手放す

取の場合:片方の肩が自由になって回っているとき、または封じた腕が抜けたときは、襟をさらに強く引くのではなく、抑えを変えます(第7項)。受の場合:封じられた腕を関節に逆らって力ずくで抜くことは、練習すべき逃れではありません。

下で抑えの形が変わったとき

封じた腕が抜けた

受は頭側で両腕が自由になり、抜けた右手はたいてい取の右肩か腰へ行って押してきます。腕が取の頭の横を越えて上へ行ったなら、肩の下を通す上四方固の経路が開いています(第7項)。肘を曲げて押してくるなら、受の右側からの横からの抑えの方が、たいてい近い選択肢です。腕が抜けたらすぐに襟を放してください。封じた腕がなければ、襟は何も制していません。

受が帯の腕の側へ向く

試されているのは、取の左腕と土台です。胸でついていきます。受の腰も回っているなら、受の左側からの横からの抑えを検討します。受が向いていく間に、右腕で襟を引きずらないようにしてください。

受の膝が入ってきた

膝が二人の間に入った時点で、もう抑えてはいません。頭側へ戻り、指導者に教わった越え方で膝に対処してから、作り直します。

頭側からの絞技は、このガイドの範囲外です。この抑えでの襟の持ち方は絞技の指導ではなく、絞技として使えば、技も、規則も、危険性も変わります。絞技は、例えば裸絞や送襟絞のガイドで、年齢区分の規則を確認したうえで別に学びます。

止まった抑えから、次の抑えを選ぶ攻防へ

  1. 抑えを作り、首を確かめる

    協力的に行います。取は右腕を上から回す形を作り、指導者は襟の持ち方と首の後ろの腕を確認します。受は、体重がどこにかかっているか、首が自然な位置にあるかを伝えます。次へ進む目安:どちらの腕を封じているか、帯の腕がどちらの肩を抑えているかを、二人とも言葉で説明できるようになったとき。

  2. 一つの逃れ、弱い抵抗

    受が使う逃れを、指導者が講道館の資料から一つ選びます。取は土台と胸だけで対応します。次へ進む目安:最初に攻められた支配がどれかを取が言えるようになったとき。

  3. 左右どちらかへの向き直り

    受は、封じられた腕の方へ向くか、帯の腕の方へ向くかを選びます。取は土台でついていきます。次へ進む目安:ほとんどの向き直りで、取が畳に手をつかずに両方の持ち手を保てるようになったとき。

  4. 抑えから抑えへの攻防

    取は上四方固、横からの抑え、亀の姿勢への追従に変えてもかまいません(第7項)。受は、封じられた腕を自由にする、肩を上げる、膝を入れる、のいずれかで勝ちとします。取が抑えを変えて勝ちになるのは、角度が変わる前に襟を放し、胸を下げたままだった場合だけです。次へ進む目安:促されなくても、上へ押し出された腕には上四方固を、封じた腕の方への向き直りには横からの抑えを取が選べるようになったとき。

  5. 実際の到達経路から

    後袈裟固、横からの抑え、上四方固のいずれかから始め、受は腕の上から持たれる前に右肘を体から離しておきます。第3段階では抑えを保てるのに、ここで襟を取れることがまれなら、次は抑えではなく、曲がった腕の見極めと入りを練習します。

各回の前に合意しておくこと:開始位置、認める逃れ、終わりの条件(逃れ、抑えの変更、参った、指導者が決めた時間)、そして中止の決まりです。中止の決まりは、どんな参ったでも、声による中止、首の不快感、関節が挟まれた状態のいずれかです。攻防の長さは練習上の制約であり、公式の抑え込みの時間ではありません。練習の組み立てについては、寝技の練習ガイドも参考にしてください。

この抑えのタグが付いた二つの世界選手権のリプレー

2026年10月10日に、崩上四方固についてIJFの選手別の技ページを二つ確認しました。確認済み:それぞれのページが存在し、引用した見出しがあり(見出しはタグの付いた動作を、そこに名前のある選手によるものとしています)、挙げた試合がこの技の項目に掲載されていること。未確認:リプレーに何が映っているか、得点、時間、戦術。私たちはこれらのリプレーを見ておらず、分析は示していません。

ヤン対サミー、アブダビ世界選手権2024

楊勇緯の崩上四方固を集めたIJFのページには、アブダビ世界選手権2024での楊勇緯(Yung-wei Yang、チャイニーズタイペイ)とユースリー・サミー(Youssry Samy、エジプト)の試合が掲載されています。

リエン対ホルギン、世界選手権2019

連珍羚の崩上四方固を集めたIJFのページには、2019年世界選手権での連珍羚(Chen-ling Lien、チャイニーズタイペイ)とマライア・ホルギン(Mariah Holguin、アメリカ)の試合が掲載されています。

リプレーを見るときの問い

  • 持ち手:下の選手のどちらの腕が、抑えている選手の腕の下にあるか。抑えている選手のもう一方の手はどこにあるか。
  • 到達の仕方:抑えは頭側からの基本形から始まったか、横からか、それとも入り乱れた攻防から直接か。
  • 角度:抑えている選手は中心線上にいるか、一方の肩の方へ向きを変えているか。下の選手が動くにつれてそれは変わるか。
  • 逃れの試み:下の選手は封じられた腕に働きかけているか、一方へ向き直っているか、腰を動かしているか。抑えている選手は土台でどう対応しているか。
  • 限界:カメラに映っていないことは、すべて「不明」と書きます。

観察は試合映像の振り返りチェックリストに記録し、そのうち一つを攻防で試してみます。これらの大会で適用されていた規則は、自分に適用される規則と異なることがあります。

崩しの形、基本形、隣り合う抑え

関連する抑込技の間で変わること
抑え腕の通り道その違いが練習で意味すること
上四方固両腕を肩の下から通し、帯の両脇を持つ(IJF)受の両腕は取の腕の外にあり、自由に支えを作れる
崩上四方固片腕を受の腕の上から後ろ襟へ、左腕を首と肩の後ろから帯へ(IJF)片腕が封じられる。首が両方の持ち手に近いため、無理がないかを確かめる必要がある
後袈裟固取は横にいて脚の方を向く(IJF)。持ち方は指導による向きは同じで位置が違う。行き来する移行に役立つ
横四方固横から、胸を受の胸に横切るように乗せる受が封じた腕の方へ向いたとき、または腰が頭側の抑えの下から抜けていったときの移り先

通称:英語では、上四方固の直訳に「broken(崩れた)」を付けた呼び方や、「modified north-south」などが使われます。「ノース・サウス」は他の格闘技で使われる一般的な位置の呼び名で、どの持ち方を使うのかも、認められた抑込技が成立しているかどうかも示しません。動作の説明と正式名称は分けて扱ってください。

その他の崩しの形:上四方固の別の変化を、帯や襟の持ち方を変えて「崩」の名前で教わることもあります。IJFの定義が説明しているのは、上で述べた腕の上から回す形です。指導者が別の形を示したら、何が変わり、どの逃れを止めることを狙っているのかを正確に書き留めてください。変化をすべて同じ抑えとして数えないようにします。縦四方固と肩固は、制御の課題が異なる別の抑込技です。

受がどちらの側へ逃れるかを突き止める

課題:抑えの形から短い攻防を6回行います。受は左右どちらかへの向き直りか、封じられた腕を自由にする動きを、自由に選んで行います。取は持ち手を保ち、土台と胸だけを調整します。

記録
逃れた方向(封じた腕の方/帯の腕の方/腕を引き抜かれた/膝が入った)、最初に失った支配、結果(抑えた/抑えを変えた/逃げられた/中止した)。
指導者への質問
「私の体の角度が片側を空けてしまっていますか。それとも先に封じた腕を失っていますか」
次の判断
一つの方向が目立つなら、次の練習でその側の土台を調整します。腕が問題なら、第1段階に戻って腕の上から持つ形を練習します。

説明用の架空の例(実測したユーザーデータではありません):「6回。受は帯の腕の側へ向いて3回逃れ、そのたびに左肩の制御が緩んでいた。抑えられたのは2回。1回は横からの抑えに変えた。次:前腕を左肩に近づけて、同じ課題」。次の練習でその側は保てるようになったのに封じた腕が抜けるなら、重点を変えます。

記録は練習記録テンプレートやJudo AIに残します。大切なのは抑えていた時間ではなく、逃れた方向と最初に失った支配です。

出典・執筆・確認状況

執筆:Judo AI · 英語版編集確認:2026年10月10日 · 日本語版編集確認:2026年10月10日。腕の通り道はIJFの定義に基づいています。受のどちらの腕の上を通すか、体の角度、脚の位置は編集上の基準であり、講道館の実演に照らして確認すべき点として示しています。原因の見立て、展開、攻防の設定は、監督下の練習のための編集上の提案であり、検証済みの練習方法ではありません。このページは、まだ実名の技術指導者による確認を受けていません。

規則と対象範囲:これは学習用のガイドであり、審判の手引きではありません。抑え込みの時間、有効な抑え込みとみなされる条件、年齢区分の規則はここには記載していません。現行のIJF規則と大会規則を指導者と確認してください。

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