01 / 技の概要
交差した両腕と、異なる二つの手
片十字絞(かたじゅうじじめ)は、講道館の技名一覧で固技に属する12の絞技のうち3番目の技で、並十字絞と逆十字絞のすぐ後に置かれています。「十字」は交差を意味し、交差した両前腕を表しています。ここでの「片」は片方、あるいは半分の意味です。IJFは英語名を「half cross-handed strangle」(両手を交差させた半分の十字の絞め)としています。
IJFの定義は次のとおりです(英文からの訳)。「絞技。相手と向かい合い、両腕を交差させて、左手で相手の左襟を四指を内側にして持ち、右手で相手の右襟を親指を内側にして持ち、それから次の動作を用いて相手を絞める」。私たちが確認した日には、公開されている文はここで途切れていました。そのため、このページではIJFの文言を記憶で補うことはしません。この文が定めているのは組み方です。片方の手は四指から入るためその手のひらは自分の方へ上を向き、もう片方の手は親指から入るためその手のひらは下を向きます。
この技をこの技たらしめているのは、この混ざった組み方だけです。並十字絞では、IJFは両方の親指を内側に入れるとしているので、両方の手のひらが下を向きます。逆十字絞では両手とも四指から入るので、両方の手のひらが上を向きます。片十字絞はそれぞれから一つずつ手を取ります。これが名前が「半分の」十字を意味する理由であり、受の首への感触が、隣り合うどちらの技の単なる写しでもない理由です。
対象とする読者:監督下での寝技の練習をすでに行っていて、指導者から絞技を示してもらっている柔道家です。絞技は文章から独学するものではありません。どの反復でも、相手は参ったをするか「止め」と言うことができ、取は直ちに両手を開きます。練習を意識を失う方向へ続けることは決してありません。絞技の規則は年齢区分や大会によって異なるため、試合で使う前に自分に何が適用されるかを確認してください。
目にする呼び名:ローマ字表記の「kata juji jime」「kata-juji-jime」、英語の「half cross strangle」「half cross-handed strangle」は、いずれも講道館の同じ技を指します。指導資料によっては十字絞の系統を英語で「cross chokes」や「lapel chokes」と呼ぶことがありますが、それは説明的な呼び方であり、別の技ではありません。
02 / 動画で確認
講道館の映像と、三つの十字絞をすべて扱う稽古
YouTubeでこの動画を開く。埋め込みプレーヤーが使えない場合は、元の動画をご覧ください。
私たちは2026年10月14日に、通して再生するのではなく、映像の全体から静止画のコマを抜き出してこの映像を確認しました。そのため、以下の観察はそれらのコマに写っていることに限られます。実演は、二人が膝を着き、それから向かい合って座る形で始まり、その後、受が仰向けになり、取が受をまたいで膝を着く形へ移ります。膝を着いた場面の接写では、一つ目の手が襟の前面をはるかに越えて、受の首の横まで大きく回り込んでいます。寝た場面では、交差した前腕が首で閉じるにつれて取の上体が受の上へ下がり、取の頭は受の頭の横に来ます。映像には「Nami-juji-jime」という字幕の付いた短い比較の場面もあり、その後の片十字絞の場面には「1 Thumb out / 1 Thumb in」(親指が外に一つ、内に一つ)という字幕が付いています。
見るときは、四つの問いを順に追ってください。二つ目の手が動き出す前に、一つ目の手はどこまで回り込むか。どちらの手が手のひらを上にしているか。圧力が掛かるとき、取の胸はどこへ行くか。受の参ったはどれくらい早く見て取れるか。カメラに隠れていることは、「見えない」と記録します。
YouTubeでこの動画を開く。公式実演とは別の、独立した指導者による参考資料です。
この稽古の動画は再生して確認しておらず、具体的な指導内容をこの動画のものとして紹介することはしません。稽古は三つの十字絞すべてを扱っているため、公開元が付けたチャプター一覧のうち、このページに特有の部分は一部だけです。ここで使うチャプターは次のとおりです。空気の流れではなく血流を閉じる(0:18)、どちらの手が上でも構わない(0:32)、肘を曲げておく(2:02)、防ぎ(防御)の練習と四つの逃れ方(3:02〜5:24)、たいていは片腕ずつ攻めてくる(5:50)、下から防ぎとして片十字絞を使う(6:21)、止まったときの解決策(7:05)、これらはたいてい下から行う(7:34)、そして「転がれ、転がれ、転がれ」(8:01)。これらの時間は公開元による手がかりで、私たちが確認した再生位置ではありません。
このうち二つのチャプター題名が、このガイドの組み立てを決めています。稽古ではどちらの手が上でも構わないとしているため、このガイドの約束では、どちらの手のひらが上でどちらが下かだけを定め、どちらの前腕が上を交差するかは定めていません。「たいてい下から行う」と「下から防ぎとして」は、この系統が上からだけでなく下からも教えられていることを示しており、第3項で両方を扱う理由になっています。さらに、Steve ScottのWelcome Matチャンネルによる指導動画「片十字絞からの返し」は、公開元の説明では、相手を開かせて返し、絞めと抑えにつなげる方法とされています。この動画は、その説明のみに基づいて引用しています。
03 / 狙う場面
受と向かい合い、一つ目の手を深く入れられるほど襟が開いている
三つの十字絞はすべて受と向かい合って始まるため、片十字絞は背後からの絞技とは違う場面に現れます。三つの条件がそろう必要があります。受と向かい合っていること、受の襟が顎や手でしっかり閉じられていないこと、受が反応する前に一つ目の手を深く入れられること。仕掛ける前に三つすべてを確認します。
上から、受をまたいで膝を着く
受が仰向けで、取が胴をまたいで膝を着いていれば、両襟は目の前で開いた状態にあり、重力が前腕を落ち着かせる助けになります。これは講道館の映像の寝た場面で示されている位置です。危険は土台にあります。両手が襟に入ると、どちらの手も畳に突くために使えないため、受の強いブリッジで傾けられることがあります。膝が広く低く置かれていないなら、手を入れる前にそれを直します。
下から、受を両脚の間に入れて
指導動画のチャプター題名は、これらの絞技はたいてい下から行うとしています。受が取の両脚の間に膝を着いて前に体を傾けると、両襟は取の方へ垂れ下がります。受が姿勢を立て直したり脚を越えたりするのを止めるのは、手ではなく脚です。脚が開いていれば、受は交差した前腕から上体を起こして離れるだけです。脚の支配は技の一部であって、付け足しではないと考えてください。
受が前で膝を着いている、または亀の姿勢
受が取の方を向いて四つんばいになっているなら、近い側の襟には届くかもしれませんが、首は顎で守られていることが多いものです。受が取の脚や腕に気を取られている間に、一つ目の手が前から滑り込めることもあります。受を返す手段や、受が後ろへ下がるのを止める手段がなければ、これはたいてい決めきる絞技ではなく、保っておく組み手です。
使えないとき
受が背中を取に向けているなら、十字絞の系統は合っていません。送襟絞か裸絞を検討してください。受の顎が襟に押し付けられ、両手が両襟を守っているなら、一つ目の手を無理に入れると柔道衣が顎の上をこすります。自分の区分で絞技が認められていないなら、組み手と抑えだけを練習してください。
04 / 技の仕組み
手のひらを上にした深い手、手のひらを下にした手、そして閉じる
以下の手順は、受をまたいで膝を着いた上からの位置で、IJFの組み方を説明したものです。下からでも両手の役割は同じですが、膝の代わりに脚が土台となり、前腕の角度が変わります。各段階の確認を済ませてから次へ進みます。
手より先に土台を落ち着かせる
受の胴をまたいで膝を広く着き、体重を低くして、胸の高い位置ではなく受の腰の方へ座ります。両手はすぐに襟に入るので、バランスを取る助けにはなりません。確認:組む前に、受に穏やかなブリッジを一度してもらいます。前に傾いて手を突いてしまうなら、土台はまだ整っていません。
先に左手を、四指を内側に、手のひらを上に
左手を受の左襟へ伸ばし、四指から入れるので、手のひらは自分の方へ上を向きます。首の横に沿って高く深く滑らせます。講道館の接写では、ほかの動作が始まる前に、一つ目の手が首の横まで大きく回り込んでいます。この手が深く入るほど、二つ目の手に残る仕事は少なくなります。確認:指先がどこにあるかを受に聞きます。指先がまだ襟の前面にあるなら、手は浅すぎます。
右手を交差させ、親指を内側に、手のひらを下に
右手は交差して受の右襟へ行き、親指から入れるので、手のひらは下を向きます。これで両前腕が受の喉の前でX字を作り、左の手首は手のひらが上、右の手首は手のひらが下になっています。右腕を左腕の上で交差させるか下で交差させるかは指導者の選択です。指導動画のチャプター一覧は、どちらでも構わないとしています。確認:下を見ます。手のひらが一つ、手の甲が一つ見えるはずです。手のひらが二つ、あるいは手の甲が二つ見えるなら、逆十字絞か並十字絞にずれています。
受を持ち上げるのではなく、前腕で閉じる
IJFの文は絞める動作を説明する前に途切れているため、私たちは角度や方向を作り出しません。講道館のコマに写っているのは、両腕が閉じるにつれて取の上体が受の上へ下がり、取の頭が受の頭の横に来る様子です。指導動画のチャプター題名は「肘を曲げておく」「空気の流れではなく血流を閉じる」を加えており、これは気管ではなく首の両側を指しています。ゆっくり掛け、肘と胸の動きは指導者に形作ってもらいます。確認:受が、喉の前面、顎、顔ではなく、首の両側に圧力を感じると伝えること。
参ったで両手を開く
参ったか「止め」があれば、両手を開いて前腕を首から離します。前腕が喉を横切って押さえたまま指の力を抜くのは、解いたことになりません。取の両腕はふさがっているため、毎回の攻防の前に、受が取の背中、脚、あるいは畳をたたくか、「止め」と言うことを取り決めておきます。受が反応しなくなったら、両方の組み手を開き、指導者を呼び、練習を終えます。確認:解いた後、受の両襟が自由になり、取の前腕が首から離れていること。
支配する点と、それぞれが閉じる逃げ道:広く低い膝は、ブリッジして転がす逃れを許しません。深い一つ目の手があれば、長く引く動作ではなく二つ目の組み手で絞技が完成します。前腕のX字は、圧力を首の両側に保ちます。受の上へ下がる取の胸は、受が取の肘を押すのに必要な空間を奪います。どれか一つを失えば特定の逃げ道が開きます。第6項はそれに沿って構成しています。
混ざった組み方が大切な理由:左手は手のひらが上、右手は手のひらが下なので、二つの手首は首に対して異なる当たり方をします。受は左右を違うように感じるかもしれません。低い圧力での反復の間に左右それぞれを別々に説明してもらい、その違いを直す必要があるかは指導者に判断してもらってください。これは感想を得るための編集上の提案であり、測定された効果ではありません。
05 / 上達のポイント
制御された片十字絞のための五つの確認
第4項では、動かない相手に対して各段階を確認しました。ここでの手がかりは、受が動いて防御する攻防のためのものです。1回の攻防につき一つを選び、見たことを書き留めてください。
二つ目の手が動く前に、一つ目の手が深く入っている
確認:右手が動き始める瞬間に、相手か指導者が「どこ?」と声を掛けます。左の指先がまだ首の横まで回り込んでいなければ、その反復は早すぎたものとして数えます。
毎回、片方の手のひらが上、片方が下
確認:上か横から撮影し、両手が組まれたコマで止めます。組み方が実際に片十字絞の組み方だった反復の数を数えます。圧力が掛かる場面では、二つ目の手は一番楽な組み方に変わってしまいがちです。
両手が入ったまま、土台がブリッジに耐える
確認:両方の組み手を作り、圧力は掛けずに、受が合意した強さで一度ブリッジします。畳に手を突くために手が襟から離れたか。離れたなら、圧力を加える前に土台を作り直します。
圧力は首の両側だけに
確認:毎回の反復で、受が圧力の場所を伝えます。気管、顎、顔への圧力なら、止めてやり直します。その反復は数えません。
襟が閉じられたら、やめる判断をする
確認:受の顎と手が一つ目の手をふさいだとき、無理に入れ続けるか、計画を変えるか。望ましい判断は、抑えを保つ、第7項の返しの分岐に取り組む、あるいはやり直すことです。
06 / 失敗の原因と修正
片十字絞が止まってしまうのはなぜか
どの部分が最初に失敗したかを見つけます。圧力の問題の多くは、一つ目の手か土台にさかのぼります。
「二つ目の手が入らない」
考えられる原因:受が顎を右襟の上に落としている。受の手が右襟を閉じて押さえている。一つ目の手が浅く入ったため、二つ目の手にすべての仕事をさせようとしている。あるいは、そのほうが楽なため右手が四指から入ろうとしている。見分け方:右手が止まったところで止めます。それをふさいでいるのは顎か、受の手か、それとも邪魔な位置で交差している自分の左前腕か。修正:まず左手だけをもっと深くし、それから右手を交差させて、親指から襟の高い位置に入れます。顎が障害なら、左の組み手を保ったまま、柔道衣を顎の上に無理に通すのではなく、受が頭を上げるのを待ちます。評価:同じ防御での一連の反復で、右手が二度目の試みなしに親指を内側に入れられた回数を数えます。
「体を寄せた途端に転がされる」
考えられる原因:膝が狭いか、受の胸の高い位置にある。体重が腰ではなく手に乗っている。あるいは、受の腰がまだブリッジできる状態のうちに二つ目の組み手を始めた。見分け方:どちらへ倒れるかを記録します。上になっている前腕の側か、それとも受の頭越しにまっすぐか。横から見ている指導者には、手が入る前に腰が重かったかどうかが分かります。修正:一つ目の組み手の前に、より低く広く座ります。受のブリッジを一度受け止めるまでは一つ目の組み手だけを保ち、それから交差させます。評価:受が同じ強さで行う合意したブリッジに、両方の組み手を入れたまま何回耐えられたか。
「受が、横ではなく喉に来ると言う」
考えられる原因:前腕のX字が低く、喉の前面に乗っている。片方の手が浅く、その前腕が気管を横切っている。あるいは、受の頭を自分の方へ引き上げている。見分け方:どちらの側がおかしいかを受に聞きます。手のひらを下にした手の側なら、その深さを確認します。手のひらを上にした側なら、交差の途中で左手首が返っていないかを確認します。修正:止めて両手を開き、一つ目の手をより深く高くして組み直します。気管を横切って「決める」ことは決してしません。「空気の流れではなく血流を閉じる」というチャプター題名が、意図した狙いを表しています。評価:毎回の反復で受が「横」か「前」かを伝えます。圧力をそれ以上上げるのは、「前」の数がゼロになってからにしましょう。
「受に肘を押され、組み手が抜ける」
考えられる原因:肘が広く高く張り出していて、受にてこを与えている。胸が起きていて、二人の間に空間がある。あるいは、襟を低い位置で取ったため、受が押すと柔道衣が滑る。見分け方:受の手がどこにあるかを見ます。取の肘にあるなら空間の問題、取の手首にあるなら組み手が浅い問題です。修正:チャプター一覧が示すように、肘を曲げて体の近くに保ち、圧力を加える前に胸を下げて、受の腕が動く余地をなくします。肘の線は指導者に確認してもらってください。評価:受が合意した肘への押しを一回行い、両方の組み手が残った頻度。
「組み方が別の絞技に変わってしまう」
考えられる原因:先に並十字絞か逆十字絞を覚えたため、二つ目の手が自然にその組み方になる。あるいは、一つ目の組み手が弱く感じたときに、試みの途中で組み方を変えている。見分け方:結果ではなく組み手を撮影します。手のひらが上の手と下の手を数えます。修正:練習では、組むのに合わせて組み方を声に出します(「左は四指、右は親指」)。意図して組み方を変えるときは、それを切り替えと呼び、そのように記録します(第7項を参照)。評価:撮影した反復のうち、意図した混ざった組み方が見えるものの割合。
07 / 入り方と絞技の切り替え
受の反応を見て、次の動作を選ぶ
各連続は、開始の位置、取の最初の動作、受が行うこと、その反応によって可能になる動作を示しています。次の動作の条件がそろっていなければ、無理をせずやり直します。
深い一つ目の手 → 受が背を向ける
受が一つ目の組み手から背を向け、背中を与える
開始:受をまたいで上にいて、左手は受の左襟に深く入っている。最初の動作:右手が右襟を取りに交差してくる。反応:受が交差から逃れるために横向きかうつ伏せになる。次の動作:受の顔を越えて右襟を追いかけてはいけません。交差した組み手を解き、受の背後へついていき、送襟絞のような背後からの絞技を組み立て直します。送襟絞は脇の下からの新しい組み手で始まります。中止:受が向きを変えるときに左手がまだ首に巻き付いているなら、先に手を離します。首に手を回したまま回ると、首をねじることがあります。
両手で襟を守る → 抑え
受が両手で防ぎ、ブリッジをやめる
開始:受をまたいで上にいて、左の組み手はできている。最初の動作:右手が右襟を取りに行く。反応:受が取の両手首か両襟をつかみ、首を守るために平らに寝たままでいる。次の動作:受の両腕は今、襟を守ることに使われています。抑え込んだ状態を保ち、指導者がこの位置から教える抑えへ移ります。たとえば、またいだ位置からの縦四方固です。移る間に襟を離します。中止:移る間に受の腰が自由になったら、まず土台に戻ります。
下からの組み手 → 膠着
下から攻めているとき、受が上体を起こして届かない所へ出る
開始:受は取の両脚の間にいて、取の左手は受の左襟に深く入っている。最初の動作:右手が右襟へ伸びる。反応:受が背中を伸ばし、頭を離す。次の動作:指導動画のチャプターには「止まったときの解決策」と「転がれ、転がれ、転がれ」が挙がっています。それらが何を示しているかは指導者に尋ねてください。自分でできることとしては、深い一つ目の組み手を取っ手として保ち、両脚で受を引き戻してから、もう一度二つ目の手を試みます。中止:受が立ち上がるか脚を越えたら、襟を離し、脚の防御を立て直すか、両膝を着いた姿勢に戻ります。
返し → 絞技か抑え
受が取の前で四つんばいになっている
開始:受は亀の姿勢で取の方を向いている。最初の動作:片手が近い側の襟に深く滑り込む。反応:受が後ろへ下がろうとするか、立とうとする。次の動作:指導者に教わった返しによって、手を襟に入れたまま受を仰向けに転がせることがあり、上からの交差した組み手か、抑えで終わります。Steve ScottのWelcome Matチャンネルがこの種の返しを公開しています。経路は指導者から学んでください。中止:首に回した手で転がしを引き起こしてはいけません。転がす間に襟が締まったら、手を開きます。
どの反応に最もよく出会うかを書き留めてください。相手がよく背中を与えるなら、次の練習は背後からの絞技に充てましょう。両手で守ることが多いなら、絞技そのものより抑えへの分岐に時間を掛ける価値があります。
08 / 防御と逃れ方
襟を閉じ、肘の周りを詰め、土台を取り戻す
予防(一つ目の手を深く入れさせない)、防御(両手が入った後に圧力を掛けさせない)、逃れ(その位置の下から抜け出す)を区別します。指導動画の公開元によるチャプターには、四つの逃れ方と防御の練習の部分が挙がっています。どれから学ぶかは指導者が決めます。
予防:一つ目の手を入れさせない
この技はすべて、一つ目の手が深く入ることにかかっています。顎を引き、肘を締め、取の一つ目の手が首の横へ回り込む前に、襟のところで迎え撃ちます。自分の襟を持てば遅らせることができますが、取が何をしているか見ようとして頭を上げてはいけません。それで襟が開きます。
防御:まだ組まれていない手を攻める
指導動画のチャプター一覧には、たいていは片腕ずつ攻めてくるとあります。そこに受にとっての機会があります。取の手が一つしか入っていない間に、受は二つ目の手を手首で制するか、二つ目の襟をふさぐことができます。両手が組まれた後は、取の肘を押すのがよくある防御ですが、指をつかんだり手首をねじったりするのは安全上の問題であり、防御ではありません。
逃れ:取に欠けている土台を使う
取の馬乗りの下からでは、取の両手が自分の襟に入っていて、どちらも畳に突いていません。そのときこそ、ブリッジして転がす逃れが最も効きやすい瞬間です。どちらへ転がるか、取の脚をどう封じるかは指導上の細部です。前腕が締まっているときに誤った方向へ回ると、圧力が増すことがあります。前腕が閉じてきて圧力が高まるのを感じたら、逃れるのをやめて参ったをしてください。
返しと、さらされる危険
受が取を転がすと、取の手が襟に入ったまま、二人とも入り乱れた攻防の中に着地します。取は転がりの間もしがみつかず、手を離しましょう。上になった受には抑えへ向かう機会があるかもしれませんが、それは新しい位置の課題であり、絞技と戦い続ける理由ではありません。
09 / 抑込技と絞技の間の移行
正面へたどり着き、安全に離れる
片十字絞が何もない所から生まれることはまれです。抑え、入り乱れた攻防、あるいは受に脚の間へ引き込まれた後に来ます。組み手と同じくらい丁寧に、その位置への到達と離れ方を練習してください。
横からの抑えから、またぐ位置へ
横四方固や袈裟固からは、受が取の腰を押しのけて腹の上に空間を作ることがあります。指導者がまたぐ位置への足の運びを教えているなら、片膝を滑らせて越える間も胸を重く保ちます。両膝が着いて広がってから初めて、一つ目の手が襟を探します。
受に脚の間へ引き込まれたとき
受の両脚の間に入ってしまったら、十字絞の系統は自分の攻撃ではなく受の攻撃になります。まず自分の襟を守り、防御の項で説明したように上体を起こします。これは、指導動画の「下から防ぎとして片十字絞を使う」というチャプターが、受の側から扱っている場面です。
絞技から抑えへ
受が絞技をうまく防いでも平らに寝たままなら、襟を離して抑えに切り替えます。位置を変える間、片手を取っ手として襟に残したままにしてはいけません。首の上を引きずってしまいやすいからです。
受が背中を向けるか、膝立ちへ逃れたとき
十字絞は終わりです。背後へついていき、新しい課題として扱います。まず背後の支配、それから背後からの絞技、返し、あるいはやり直しです。
10 / 段階的な練習(位置練習)
組み手の練習から、実際の判断へ
段階ごとに変える条件は一つだけにします。反復の回数と攻防の長さは編集部の提案であり、指導者と調整してください。
圧力なしで、組む順番を練習する
受は仰向けに寝て、取は受をまたいで膝を着きます。左手は四指から深く、右手は交差して親指から入れ、解きます。受はそれぞれの手がどこにあるかを伝えます。ほとんどの反復で受が両手とも首の横にあると伝え、組み方が目に見えて混ざっていれば次へ進みます。
軽い圧力と、すぐに解く練習
取はゆっくり閉じ、受は早めに参ったをし、両手を開きます。指導者が不規則に参ったの合図を出します。練習の終わりのほう、組み手が疲れている時間帯も含めて、すべての解きが即座にできるまで次へ進んではいけません。
両手を入れた状態での土台の確認
組み手は作り、圧力は掛けません。受が合意したブリッジを一度行います。取は手を突かずに土台を保ちます。これにより、両手が襟に入っていることで生じる弱点だけを取り出して練習できます。
本当の判断:絞技か抑えか
受は攻防ごとに一つの防御を、取に知らせずに選びます。襟を守る、肘を押す、背を向ける、のいずれかです。取は第7項から合う分岐を選ばなければなりません。受が何をしたか、取が何を選んだかを記録します。
下から、それから入り乱れた攻防から
受を取の両脚の間に入れて、第1・第2段階を繰り返します。その後、受が逃れようとしている横からの抑えから始め、取は組む前にまたぐ位置へたどり着かなければなりません。これは絞技だけでなく、その位置への到達も試すものです。
監督:第2・第4・第5段階は首に圧力が掛かるため、二人の両方を見ている指導者がいるときにだけ行います。指導者がいない場合は、第1段階、第3段階、抑えへの分岐にとどめてください。
11 / 試合での実例
二つのIJFリプレーの手がかりと、その限界
2026年10月14日の時点で、IJFの片十字絞のページには、「この技を最も多く使う選手」の欄に一人の選手(フランスのアクセル・クレルジュ、タグ付きの試合が三つ)が挙がり、タグ付きの映像がある大会が十あって、その多くは一本ずつでした。私たちはこれらのリプレーを見ておらず、タグの付いた動作が得点になったか、いつ起きたか、どんな戦術が関わっていたかを確認していません。
世界選手権混合団体2024:クレルジュ対バブツィゼ
IJFのクレルジュ選手の片十字絞の一覧(選手別ページ)には、世界選手権アブダビ2024(シニア)混合団体でのアクセル・クレルジュ(Axel Clerget)対ルカ・バブツィゼ(Luka Babutsidze)が挙がっています。
世界選手権バクー2018:トリッペル対クレルジュ
同じ一覧には、世界選手権バクー2018(シニア)でのエドゥアルト・トリッペル(Eduard Trippel)対アクセル・クレルジュも挙がっています。このページは動作をクレルジュによるものとしているため、二番目に挙がっているものの、技のタグが付いているのはクレルジュであるように見えます。リプレーでこれを確認してはいません。
どちらのリプレーにも使える観察の問い
- 位置:攻める側は上か、守る側を両脚の間に入れた下か、入り乱れた攻防の中か。
- 一つ目の手:二つ目の手が動き出す前にどこまで深く入るか。手のひらは上か。
- 組み方:片方の手のひらが上、もう片方が下に見えるか。見えなければ、タグは関連する組み方を指しているのかもしれない。不明と記録する。
- 土台:攻める側の両手が襟に入っている間、守る側は腰で何を試みているか。
- 終わり方:参ったか、審判の介入か、中断か。見えることだけを記録する。
シニアの試合映像は、その大会のシニアの規則を反映したものです。自分の年齢区分や大会で何が認められているかは示していません。
12 / 変化と似た技
ほかの十字絞と並べて見る片十字絞
| 技 | 比べる点 |
|---|---|
| 片十字絞 | 向かい合う。両腕を交差。左手は四指を左襟の内側に(手のひらは上)、右手は親指を右襟の内側に(手のひらは下)(IJF)。 |
| 並十字絞 | 向かい合う。両手を交差させ、両方の親指を襟の内側に入れるため、両方の手のひらが下。両手の外側の縁で圧力を掛ける(IJF)。 |
| 逆十字絞 | 向かい合う。交差させた両手の四指を襟の内側に入れるため、両方の手のひらが上(IJF)。 |
| 送襟絞 | 背後から。片腕を受の脇の下に通した襟の組み手。十字絞ではない。 |
| 裸絞 | 背後から。柔道衣をまったく持たない。 |
すぐできる見分け方:両手を組んだら、一度自分の手を見ます。手の甲が二つなら並十字絞。手のひらが二つなら逆十字絞。一つずつなら片十字絞です。これらの名前は講道館の正式な技であり、一つの絞技の組み方の変化ではないので、どれを練習したかを記録してください。
上になる手と先に入れる手:どちらの前腕を上にするか、どちらの手を先に入れるかは、技の中での実用上の選択です。このガイドの約束はIJFの文の順番に従っていますが、指導者は手のひらを下にする手を先に入れることを好むかもしれません。混ぜる前に、一つの順番で一貫して練習してください。
上からか下からか:またいだ位置と下からとでは、組み方は同じでも土台が違います。上からなら土台は膝と腰、下からなら受の姿勢を制する脚です。二つの別の練習として扱い、分けて記録してください。
13 / 次の練習課題
重点は一つ:一つ目の手の深さ
試みが二つ目の組み手で止まってしまうなら、見直す所はたいてい一つ目の手です。次の記録を1回の練習に使ってください。
- 場面
- 受は仰向け。取は受をまたいで膝を着く。第2段階までは圧力なし。
- 自分の重点
- 右手が動く前に、左の指先を首の横まで回り込ませる。
- 気づいたこと
- 受はそれぞれの手をどこに感じたか。組み方は混ざっていたか。土台はブリッジに耐えたか。すべての解きは即座だったか。
- 指導者への質問
- 「左手の手のひらを上にしたとき、右手は本当に親指から入れるのでよいですか。左の指はどこまで回り込ませればよいですか」
- 次の判断
- 一つ目の手の深さだけを練習するか、土台の確認に取り組むか、抑えへの分岐を加えるか。
説明用の架空の例(実測したユーザーデータではありません):「またいだ位置から10回。受が左の指を首の横に感じたのは6回。そのうち2回は右手が誤って四指から入った。体を寄せたときに1回転がされた。次回:まず土台の確認、その後に『左は四指、右は親指』と声に出して組む」。
記録は練習記録テンプレートかJudo AIに残します。
14 / 出典とレビュー
出典・執筆・確認状況
名称、番号、分類は講道館の技名一覧(2017年4月1日付の一覧)に基づいています。組み方の説明はIJFの片十字絞の定義(2026年10月14日確認)に基づいており、その公開されている文は「using the actions」(次の動作を用いて)で終わっています。IJFの並十字絞とIJFの逆十字絞の定義との比較も、同じ日に確認しました。動画の権利は講道館とRiki Judo Dojoに帰属します。講道館の映像は抜き出したコマのみで確認し、Riki Judo Dojoの稽古は題名と公開元のチャプター一覧を通してのみ引用しています。
執筆:Judo AI · 英語版編集確認:2026年10月14日 · 日本語版編集確認:2026年10月15日。原因の見立てと練習は、監督下の練習のための編集上の提案です。実名の指導者によるこのページの確認は行われていません。
規則:このページは、絞技に関する現行の試合規則を示すものではありません。どの試合でも絞技を使う前に、その大会と年齢区分の規則を指導者か審判に確認してもらってください。
関連する固技のガイド:並十字絞と逆十字絞(ほかの十字絞)、送襟絞と裸絞(背後からの絞技)、縦四方固と横四方固(抑込技)。